最初に与えられた情報がそのあとの行動にも影響を及ぼすことを初頭効果と言い、第一印象に近しい効果になります。
この初頭効果は1946年にポーランド出身の心理学者ソロモン・エリオット・アッシュによって提唱されました。初頭効果は「プライマシー効果(Primacy effect)」と呼ばれることもあります。
この効果は与えられる情報は同じですがいい情報が最初に与えられるか最後に与えられるかで同一人物でも大きく印象が変わってきます。
人は出会って6秒ほどで第一印象が決定つけられるといい、最初の印象が良いと後々の自分の小さな欠点に対して気にしない、むしろプラスに働くこともあるのです。それほど第一位印象を良くすることは心がけることが大切なので、初対面は大きな勝負所だと意識しましょう。
初頭効果による実証
初頭効果にはどれほどの効果が望めるのでしょうか?実際にソロモン・アッシュの行った実験によるとアッシュ氏は同じ特徴を持った2人の架空人物を用意しました。
A.知的、勤勉、衝動的、批判的、頑固、嫉妬深い
B.嫉妬深い、頑固、批判的、衝動的、勤勉、知性
Aは好印象であるものを上部に、そして悪印象であるものを下部にして、Bは逆に悪印象であるものを上部に、そして好印象であるものを下部にしました。内容的にはAとBは何も変わらない存在です。
この二人の人物を研究の参加者に見てもらった結果、「批判的」「衝動的」という言葉に対してAは正の意味として、Bは負の意味として受けられました。
まったく同じ特徴を持った二人ですが順番が違うだけで相手にあたえる印象が大きく変わるということが分かります。
初頭効果の使い方
初頭効果は先ほどの実験でわかる通り良い印象をはじめに与えておくことで効果を発揮します。
初頭効果の正しい使い方
「初めまして!(礼儀正しい)」
「(優しそうだな〜)」
「料理好きなんですよ!(家庭的)」
「(素敵!)」
「私浮気されたらきっと刺しちゃう!(嫉妬深い)」
「(そんなところも可愛いな〜)」
はじめに礼儀正しい印象をあたえることで「嫉妬深い」というポイントを可愛いポイントに変換することができます。
逆のパターン
「ねえ。浮気してるの!?教えて?刺すよ?(嫉妬深い)」
「(うわぁ。怖い人がいる)」
「初めまして(礼儀正しい)」
「(あ、あの人だ)」
「料理好きなんですよ!(家庭的)」(ナイフを持ってる)
「(恐怖・・・)」
嫉妬深いであろう現場を見た後に、その優しそうな女性と出会い、関わっていく内に家庭的で料理上手である事を知っても、前提に嫉妬深さがあるので「でも嫉妬深いからな〜」となります。
初頭効果について
初頭効果は自分に関心のない人に対してとても効果的なテクニックです。
自分のことをほとんど知らない人に自分のイメージした印象を与えることができるので見せたい自分をいくらでも演出することができます。
ですが逆に自分に対して関心を持っている人であればこちらが何かする前にすでに相手のなかで自分に対する印象を何かしら持っているので初頭効果の期待が薄いと言えます。
初頭効果と親近効果
では関心を持たれている人にどうやって好印象を与えればいいのかというと親近効果というものがあります。
初頭効果ははじめに与えた情報によってそのあとの印象が変わりますが親近効果はそれとは逆に最後に得た情報によって印象が変わる、というものです。なので関心が低い人には初頭効果、そして関心の高い人には親近効果が効果的です。
これだけを見るとどちらか片方を使えばもう片方の効果がないのでは?と思うかもしれませんが実はこの両方がいっしょに効果を発揮します。親近効果により新たな情報を与えますが決して初頭効果が上書きされるわけではありません。初頭効果は親近効果とは別に記憶されていて新しい情報を与えられても再び思い出します。
まとめ
初頭効果は相手と過ごす時間が増えていき相手のことが分かってきてもはじめに受けた印象があたまをよぎってしまいます。
自分の欠点や短所などを相手に伝えるときは言葉の順序に意識して伝えることでプラスに変えることができます。実はこのテクニックは恋愛だけではなく仕事にも生かすことができます。なので覚えておいて損はありません。
自分の欠点を好印象に変えて素敵な恋をしましょう!
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