結婚に希望を抱いている人、結婚に対してネガティブなイメージを持っている人と様々ですが、統計的に結婚は人生においてプラスになるのかマイナスになるのか研究を元にお話ししていきます。
健康に良い
結婚をすることで、独身者よりも健康的に良好になる傾向があります。複数の研究データから「未婚者は既婚者よりも早死する確率が24%高い」「結婚している男性は独身の男性よりも10年以上長生きする」「心臓発作を起こした時に未婚者よりも既婚者は14%生存率が高い」等、結婚している人の方が健康的に良いデータが多くあります。
これは夫婦同士が仲良くて満足度が高い結婚生活を送ることができている人に限られていますが、結婚することで、身体的な面だけでなく精神的な面もポジティブになりやすいので、心身共に健康的になれるんですね。
満足度が高い結婚する事でこの様に健康的になるのか様々な研究で分かったことが、「独身者よりもストレスホルモンと言われるコルチゾールの分泌が少ない」「キスやハグによって精神安定・ストレス軽減するセロトニンの分泌がされる」の様なホルモン的な理由だけでなく「食事の栄養バランスが独身の時よりも取れがち」「互いに健康状態を客観的に確認できる」「病気になっても看病してもらえる」「病院に行く様に促してもらえる」様な2人でいるからこその理由があります。
なかなか1人では出来ない行動も結婚して相手の為を思ってだからこそできる行動もありますし、複数のデータからも満足度が高い結婚生活は心身ともにメリットがありますね。
脳に良い
結婚することは脳に良い影響をもたらし、年齢を重ねてもボケにくくする傾向があります。ミシガン州立大学の研究で、15,000人程の男女を対象に調査して分かったことが離婚してしまうと結婚している人よりも2倍ボケやすいことがわかりました。
結婚していることで親密な関係性を持つパートナーが側にいることで、コミュニケーションを取る機会が多くなるので、脳の認知機能に良い影響を与えるんですね。
離婚した人は親密なパートナーがいなくなってしまいコミュニケーションを取る量も減ってしまう傾向がありますが、人との関わる機会が多く、コミュニケーションを取る機会が多い人は結婚をしていなくても脳に良い影響を与えることができますね。
脳を鍛えるためにも他人との親密なコミュニケーションは重要だとわかります。
幸福度が高い
結婚をすることで幸福度が高くなる可能性があります。アメリカの研究で14年の期間、男性を調査したデータでは、独身男性の「17%」が不幸と答えたのに対して、既婚男性はたった「6%」が不幸と答えました。
また、独身男性の「20%」がとても幸せと答えたのに対して、既婚男性は「43%」がとても幸せ答えたことが分かったのです。つまり、結婚することは不幸になりにくく、幸せになりやすいと言えるんですね。
幸福度は人間関係によるとこが大きい為、独身だとしても周りとのコミュニティを大切にして親密な関係性を築くことができていれば、独身であろうと既婚者であろうと幸福度は高くなりやすいですね。
また、日本の研究(佐藤一磨 夫婦関係満足度と幸福度)で、既婚女性と未婚女性の幸福度を比較した調査では、夫婦関係に満足している女性は独身女性よりも幸福度が高いことがわかりました。また、夫婦関係の関係性が重要で、夫婦関係が不満だと未婚女性よりも幸福度が低い結果となりました。
お金を多く稼げる
独身男性よりも結婚していた方が稼げる可能性が高くなります。経済学には「マリッジ・プレミアム」と呼ばれる用語もあり、結婚が経済的にどのくらいの利益をもたらすのか研究を行い、独身よりも結婚した方がお金を多く稼げることが複数の研究結果からわかりました。
結婚することで、社会的な信用度が増すことにより経済的な利益を生み出すのです。複数の研究があり、結婚により総収入が10〜30%上がるデータがあり、男性は50代〜60代においては資産に4倍もの差があるのです。
他にも、会社で解雇される確率も低くなる結果もあることから結婚は、男性にとって責任と信頼の面からも経済的なプラスの影響をもたらすのです。年収が高いから結婚するのではなく、結婚によって経済的なメリットがあるんですね。
ロンドン大学が人間関係をお金に換算するとどのくらいになるのか発表したデータでは、結婚がもたらす「幸福度は、年105,000ドル分の価値」ということでかなりのプラスの影響があるんですね。しかし、このプラスの結果は満足度が高い結婚のメリットであり、結婚しても関係性が悪く別居などするようならば「不幸度は、年255,000ドル分の損失」とマイナスの方が大きくなってしまうのです。
メンタルが安定する
結婚することでメンタル面も安定させる効果もあるんです。ジョージア州立大学の研究(3617人の男女)で、結婚とメンタルの関係性を調べた結果、年収が平均よりも下の人、年収が6万ドル以下の人は結婚することでうつ病の発症率が低くメンタルが安定することがわかりました。
結婚によって共働きができるので、互いに家計の協力ができますので、お金の心配事も少なくなります。また、結婚していることにより自己肯定感も高まるので、メンタル面でのいい影響があるんですね。
しかし、結婚していても年収が高く、お金に困ることがないようなら、結婚によるメンタル面に大きな影響はでないんですね。つまり、お金持ちなら結婚してもしなくてもいいのですが、貧しい人は結婚をすると精神的に良いって話になります。
まとめ
結婚することで「健康」「お金」「精神」とメリットが多くありますが、独身であることは不幸なのでしょうか?これらのメリットは質の良い結婚に限られたメリットであり、夫婦間の仲が悪い結婚生活だと「うつ病になりやすい」「幸福度が下がる」「経済的損失が高まる」と全てデメリットとなってしまうのです。
つまり、結婚すれば最高のメリットがあるのではなく「仲のいい関係性を築くことができる結婚」である必要があるのです。
結局のところ、親しくて良い人間関係を築くことができる事が「幸福度」に重要になってきますので、「独身」「結婚」にこだわるよりも今ある人間関係を大事にすることの方が重要になりますね。
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