カップルは、好き同士だと言えど他人ですし、互いに思いやりがなければ幸せにい続けることが難しいです。厚生労働省の離婚データでは、日本の結婚に対する離婚の比率は「35%」程度となっています。
好き同士で結婚したはずなのに、離婚する人は3組に1組の比率ですし、結婚によって幸せに感じられていない人もいるのも事実なのです。なので、結婚後もずっと幸せなカップルの特徴とカップルの幸福度が高くなる方法を科学的な観点からお話しします。
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「感謝を口にして伝え合う」カップル
感謝を口にして伝え合うことができているカップルは、素敵な関係性を築き長続きすることができます。
大学研究、マッチング調査など様々な研究で、互いに感謝して愛の言葉をしっかりと口にする事で、関係性が強く、幸福度も高く、一緒に長くい続ける事ができる確率も高いことがわかっています。
感謝をしていたとしても相手にしっかりと「ありがとう」と口で伝えなければ恋人・夫婦関係でも伝わりにくいです。人の性質として自分が知らない事はネガティブに考えてしまいがちなので、パートナーが気遣いやサポートをしたところで「無言」でいるのと「気づいてないんだろうな」「当たり前に思ってるんだろうな」とネガティブな印象を受けるので、しっかりと「ありがとう」と感謝を伝える事が大切です。
感謝の正しい伝え方は、「相手を労った感謝(コスト強調)」よりも「自分がどれだけ助かったかを伝える感謝(応答性強調)」の方が良く、カップルの幸福度を上げて関係性を良くすることがトロント大学の研究でわかっています。
例えば「大変だったよね!ありがとう!」よりも「凄く助かったよ!ありがとう!」のような感じです。感謝や思いやりの言葉を伝え合うことができているカップルは良好な関係性を手助けしてくれ素敵な空間を作ることができますね。
「サポートに気がついてる」カップル
互いに気遣いをしながら付き合うことはもちろんですが、その気遣いに気づかいにどれだけ気がつき、互いが感謝を伝えているのかが二人の関係性をより良いものにします。
相互支援に関する研究では、本人が相手から支援やサポートを受けて、それを認知するほど互いの関係満足度が高くなることがわかりました。これによりカップルの幸福度や精神的な健康に良い影響があるのです。これは恋愛関係よりも「夫婦関係」の方がその効果が強く見られ「妻」の方がより影響が高いことがわかっています。
当たり前に感じることかもしれませんが、「相手の為にできることをする」「相手のしてくれたことに気がつく」「相手がしてくれたことに感謝をする」この3つのどれかが欠けてしまえば不満感が高まり良い付き合いできなくなってしまうので、再度見直していきたいですね。
「家事を分担している」カップル
男は仕事、女は家事と役割分担をすることも関係性を築く上で大切なことですが、幸福度や満足度の観点から男女ともに家事分担をしているカップルは不満感なく長続きしやすいです。特に夫婦間での妻は幸福度が高い結婚生活を送れます。
イリノイ大学の調査では、料理、洗濯、ゴミ出しなど日常的な家事を分け合うことで互いに不満感を募らせることなく満足度が高いことがわかっています。ハーバード・ビジネス・スクールが行った調査では、離婚したカップルの25%が、離婚の一番の理由として「家事に対する意見の不一致」を挙げています。
この家事分担については、交際・結婚して初期は、高揚感から不満がなくても熱が冷めてから不満を募らせるケースがあるので、パートナーと早い内に話し合い、互いに不平等感を生まないように積極的に補い合うことが重要です。
「関係性」を大切にしてるカップル
「パートナーが可愛いほど幸せ」「お金を稼いでくれるほど幸せ」と考える人もいますが、それよりも2人がどの様に信頼関係を築いてきたのかが幸せに感じ、2人にとって重要になります。
カナダのウェスタン大学でカップル1万1196組分を分析して、恋愛の満足度に影響することは「個人的特性」よりも「パートナーとの関係」が満足度に大きな影響があることを明らかにしました。
パートナーに求める条件は人によって様々で「年齢」「収入」「性格」「外見」など「個人的特性」を重要視する人もいますが、そこよりもパートナーとどの様に関係性を積み上げていったのかの「二人の関係性」こそ恋愛の満足度に大きな影響をもたらすんですね。
「スキンシップをよくする」カップル
手を繋いだりキスしたり小さなスキンシップをしているカップルは幸福度が高く、満足感溢れた生活を送ることができます。
インディアナ大学の研究で、日本含む5カ国のカップル1000組以上を対象に行われた研究で、触れ合うスキンシップの頻度が多いほど男女の幸福度を高めることを明らかにし、女性よりも男性の方が幸福度が高い結果となりました。
日本人は他国よりもスキンシップにより幸福度が高いことが顕著でした。この様なスキンシップをすることにより幸せ脳内ホルモン物質「オキシトシン」が分泌されるので、一緒にいることで幸せを日常的に感じる事ができるので素敵ですね。
「協力・共同作業」をよくするカップル
カップルで一緒に映画をみる習慣があるカップルは長続きする研究データもあり、映画の内容を互いに話し合う事を通じて互いの関係性などについても話し合う事ができるのです。
また、2人で共同で一緒に買い物、料理、スポーツなど協力することはカップルの満足度をあげますし、現実だけでなく、ゲームなどで協力プレイをするなども共同作業として難題をクリアして乗り越えることは、長く愛し続ける事ができる関係性を作る上で大切です。
ただ、注意が必要で「2人が一緒に楽しめることをする」ことが重要になります。当たり前に思えますが、片方が一緒にやる行為を楽しくないと感じているのに無理矢理行っても幸福度は落ちてしまうので、素敵な関係性のためには2人が互いに楽しめる活動を探し出し、一緒に取り組んでいきたいですね。
「新しいことに一緒に取り組む」カップル
新しいこと、いつもと違うことを一緒にするカップルは、単純作業だったとしてもカップル間の幸福度は高くなることがわかっています。
付き合い当初は、ドキドキ感も高く、何をしても刺激的でも時間が経ってくるとマンネリが出てきてしまいます。なので、二人で「ダンスを覚える」「新しい習い事をする」「手芸をする」「DIYをする」「料理をする」など普段とは違ったことに共同で取り組むことは素敵な毎日を過ごすために必要なことですね!
「彼女への評価が高い」カップル
自己評価は、カップルが長続きするかどうかにおいて重要な点になります。そして、カップルにおいて「彼から彼女への評価」が高ければ幸せで満足度が高い恋愛関係でいることができます。
ニューヨーク州立大学の夫婦関係に関する研究で、長続きしている(平均同居年数10.9年)105組のカップルを対象に満足度を調査した結果、「夫の妻に対する評価が妻自身の自己評価より高い」ことが共通事項として明らかにしました。
つまり、「夫の妻への評価>妻の自己評価」です。妻を過大評価した夫は満足感が高まるだけでなく、喧嘩、トラブルが減ることも明らかにしています。なので、彼女や奥さんを明確に評価をするよりも盲目的に評価を高めていくことで長続きして幸せな交際を行うことが出来るのです。
「計画性」があるカップル
計画性をしっかりと持って行動ができるカップルは、互いに不満を募らせることなく幸福度が高く一緒に居続けることができます。
性科学学術誌に掲載された研究では、充実した性生活を送る為には「計画性」と「勤勉さ」が重要とされています。カップルの性行為と幸福度は親密な関係性があるので大切なことです。
また、バージニア大学では、結婚前に子供を設けたカップルと結婚後に子供を設けたカップルでは44%もの幸福度の違いがあった研究データもある様に、計画性を持って行動に移すことは幸せな関係性を作るには大切な要素ですね。
比較しないカップル
交際人数が少ないとパートナーに対して過去の恋人など比較対象が少なく幸福度が高い付き合いがしやすいです。
バージニア大学の研究(結婚した418人対象)では、「結婚前の恋人の数」が、少ない方が幸せな結婚生活をに結びついているデータもあり、恋人関係よりも夫婦関係になるとより過去の交際歴は結婚後の幸福度や満足感に影響があることがわかります。
恋人と誰かを比較して、ポジティブな効果を生むことはないですしただ単に幸福度が低くなる行動です。どうしても付き合いが長いと嫌な部分に目が向いてしまい過去の恋人の良いところだけで比較してしまい不満が溜まりやすくなってしまうので、互いに比較する事なく「その人はその人」で考えることができれば素敵な付き合いができますね。
「物欲のあまりない」カップル
人によって物欲は様々ですが、カップルの物欲レベルが高ければ満足度が低くなってしまいやすいです。物欲があまりなければ財産や物質的な物に使うよりも2人のことに使ったり、2人のことに意識が向くので満足度が高い付き合いがしやすいです。
既婚者1310人を調査した研究(Journal of Family and Economic Issues)で、結婚生活の満足度が低くなる要因の一つが物欲の高さにあるとが明らかにされました。
物欲が高いと二人の関心や関係性に意識が低くなってしまいますし互いのことに向き合うことも少なくなり、不満も溜まりやすくなります。
互いの財産を物質的なものに使うことなく自分達の生活をより素敵なものにするために使ったり、互いへの関心を高めることを意識をすることで満足度が高く良い関係性で一緒にいることができますね。
「週一で性行為」を行うカップル
交際初期は、互いに熱く性行為頻度も高いカップルは多いのですが、時間が経つにつれて頻度が低くなっていく傾向があります。しかし、性行為を週一で行っているカップルは幸せで理想的です。
「性行為頻度と幸福は関連しているかどうか」3万人以上を対象とした3つの論文によると、幸福度が高い理想的な頻度は「週に1回」です。しかし、トロント大学心理学者によって行われた研究では、普段の2倍するように指示を受けたカップルは以前よりも幸福感、満足度が減りました。
なので、すればするほど幸福度が高まるものではありませんが、あまりにも性行為によるコミュニケーションをしていないのなら、2人の関係性を強め幸福感をより感じる為にも「適度な性行為」は重要ですね。
「何歳になっても性行為をしてる」カップル
性行為は若い頃だけでなく年を取っても性行為をし続けることで幸せなカップル関係を築くことができます。
アングリア・ラスキン大学の研究チームは、50歳以上の男性2577人と、女性3195人を対象にした調査を行い、性行為を年齢を重ねても行うことは、性的活動が活発な男性はそうでない人と比べて「健康的にも良い効果」をもたらし「幸福度も高く」「認知能力が高い」ことがわかりました。
健康は幸せと親密な関係性がありますし、若い頃よりも年齢を重ねてからの方が性行為のメリットはより多くあると言えます。何歳になってもいつまでも素敵な性行為をしていきたいですね!
握力が強いカップル
握力が強いと結婚生活が良好になります。ノルウェーの出生健康センターとアメリカのコロンビア加齢研究センターの研究で5,009人を対象に握力と結婚生活の状態をチェックした結果、握力が強い人たちほど幸せな結婚生活を送れていることがわかり、健康的で人生の質も高くなることが明らかにされました。
なので、若いときの話よりも加齢によって体に衰えが出てきてしまった時の話ですが、握力と健康には関係性があり、健康であることは幸せな結婚生活を送る為には不可欠になるんですね。
逆に、握力が弱い人ほど独身者であることが多いということも判明しました。
解決不可能な問題を議論しないカップル
カップル間での問題を議論することはとても大切で二人の関係性を深める上で不可欠です。しかし、中には議論をしても解決不可能な問題もあります。幸せなカップル・夫婦はそんな問題はあえて議論をしない傾向があります。
アメリカのテネシー大学やノースウェスタン大学の研究グループは、「幸せな結婚生活を送っている」121組の夫婦の口論に関する調査を行った結果、幸せな関係性を築くには「愛情」「休日」「家事」「コミュニケーション」「お金」に関する話題が重要として「ジェラシー」「宗教」「家族」に関する話題は重要ではないとしました。
つまり「家事の役割分担はどうするのか?」「お金の使い方はどうするのか?」など解決可能な議題がほとんどで2人で話し合っても解決が難しい問題はあえて議論をしないんですね。カップルだからと言って互いに全ての価値観を理解して納得する必要はないことがわかります。
How can I thank you? Highlighting the benefactor’s responsiveness or costs when expressing gratitude
金政裕司(2012).相互支援が関係満足度ならびに精神的健康に及ぼす影響についての青年期の恋愛関係と中年期の夫婦関係の共通性と差異.発達心理学研究,23,298-309.
Compatibility, Leisure, and Satisfaction in Marital Relationships
スコット・ハルツマン「Surviving Infidelity(浮気を乗り越える/原題)」
Exploring the Impact of Personal and Partner Traits on Sexuality: Sexual Excitation, Sexual Inhibition, and Big Five Predict Sexual Function in Couples(Published online: 20 Jul 2018)
Money Over Marriage: Marriage Importance as a Mediator Between Materialism and Marital Satisfaction
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